2020.07.29

TITLE:撮影レポート・りょう編

※ビジュアル撮影は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言より前に実施しております。

鋲が付いたライダースジャケット風のボディスーツにニーハイブーツという、ちょっとハードなイメージの衣装を身にまとい、颯爽とりょうさんが登場すると「うわあ、カッコイイ!」「桜子がマンガから抜け出してきたよう!!」とスタッフ陣は大興奮、スタジオ内の体感温度は一気に上昇。この『両国花錦闘士』で、りょうさんが扮する渡部桜子は男性アイドル事務所パピーズの2代目社長で、偶然見かけた昇龍にひとめぼれしてしまうという役回り。衣裳にしろ言動にしろ、とにかく強烈な個性が光る振り切ったキャラクターとなっています。ビジュアルのコンセプトをデザイナーのナルティスの新上ヒロシさんからレクチャーされたりょうさんが、立ち位置にスタンバイするといよいよ撮影スタートです。

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カメラマンの加藤アラタさんから「まずは不敵な笑顔から、お願いします」と、リクエストされたりょうさん。クールな笑みを浮かべたその立ち姿には「さすがー!」「すごい迫力!」「妖艶!」などなど、さまざまな賛辞を口にするスタッフたち。「次は、人々を見下している雰囲気で」と言われると明るく「ハーイ」と手を挙げてから、くいッと上を向き一瞬でシリアスな表情に。圧倒的な存在感に思わず「素敵……!」と、モニター周りからはため息が漏れています。

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桜子用にもいくつか小道具が用意されており、まずは青いジュリ扇(ディスコ・ジュリアナ東京で使用されていた扇子)を手にしたりょうさん。「そうそう、“荒木師匠”とかいましたよねえ」とバブル時代を知る年代の数人は懐かしむものの、りょうさんを筆頭にほとんどの面々はバブル全盛期をそれほど知らない様子。「これ、意外と難しいですね」とポージングに苦労するりょうさんに、「ここではちょっとお笑い的なポーズもやってもらいましょうか」と新上さんは、チラシのラフスケッチを見せながらポーズを指導。コミカルな動きを求められてもまったく迷いなく、コメディエンヌぶりを発揮してくれるりょうさんに、今度はスタジオ内に笑いが溢れます。

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「桜子には、無邪気なところもありますからね」と加藤さん。「カッコつけているんだけど、おかしいような」「大真面目で本人だけはめっちゃイイと思ってるような」と微妙なニュアンスを伝えると、りょうさんもそれに応えてさまざまな表情でカメラに向かいます。キリッとした冷たい顔のまま、おちゃらけたポーズを決められるのは、まさにりょうさんならではの持ち味。舌を出したりしても、「逆に、キレーイ!」と大好評の模様です。

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白い鞭を持ち、自由に動きのあるポーズをとっていくことになると加藤さんのシャッタースピードが徐々に速くなっていきます。りょうさんも口で「ピシッ!ピシッ!」と言ったりして、つい吹き出してしまったりもしながら楽しそうにポーズ。さらにここで小道具として、まわしも登場。プロデューサーたちも参加して、まわしを両脇からピンと引っ張り、撮影を盛り上げます。りょうさんがそのまわしに右手を添え、余裕の笑みを浮かべてポージングすると「何やってもカッコいいな」「まわしが、こんなに色っぽく見えるなんて!」「やっぱりホンモノは美しいね」と、まわしの意外な使い方に感想もさまざま。

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続いて、相撲指導の両國宏さんが加わり、りょうさんも相撲ならではの所作に挑戦です。加藤さんから「激しい表情で」と言われ、「ウォー!」とか「シャー!」とか勇ましい掛け声をかけながら、相手を抱え込んで投げるような動きをしたり、土俵入りの型を披露したり。自ら、モニターチェックをすると「アハハハ!」と一瞬でキュートな素顔に戻る、りょうさん。「いやあ、楽しかったです! なかなか、深い作品になりそうですね」と感想を口にしつつ、色紙とTシャツにサインをして手形を押したら本日の撮影は終了です。りょうさんにも、この撮影直前に意気込みを語っていただいていますので、その様子をここでご紹介。

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――『両国花錦闘士』への出演の話を聞いた時、まずはどう思われましたか。
私はいつも直感を大事にしているのですが、この舞台のお話を聞いた時は見事なほどに面白い匂いしかしなかったですね。プロデューサーの3人が“三銃士”と名乗っている時点で、相当面白くやってくださるんだろうなと思いますし。青木豪さんとも一度ご一緒させていただきたかったので、願いが叶って本当にうれしいし光栄です、ありがたいです。

――りょうさんが演じる桜子役に関しては、どんな印象をお持ちですか。
今日の時点では、まだ台本をさらっと読んだだけなんですけれど、きっと面白い役になるに違いないとは思っていましたが、ここまでとんでもなく面白い役をやらせていただけるとは!(笑) そのくらい、桜子というのはかなりクレイジーな人だなと思っています。撮影用の衣装合わせに行った時は、本当にビックリしましたから。本番の舞台でどんな衣裳を着ることになるのかは、今はまだわからないですけれど。

――でも、本番でも相当な格好をさせられそうな予感がしますね(笑)。
大丈夫です、待ってます(笑)。私は形から入るところもあるので、あれだけの衣裳を着るということは、ああ、そういう人なのか、と見えてくる部分がたくさんありますので。

――ちょっとエキセントリックなところもありつつ、でもオモシロい要素も多そうで。
どうなるんですかねえ(笑)。でも女人禁制と呼ばれる角界に、普通だったらまったく関わってこなさそうなキャラクターではありますよね。そんな桜子が、角界にどう踏み込むのかというところだけでも面白くなりそうだなと思います。

――そういう、振り切ったキャラクターを演じることについてはいかがですか。
ちょっとやってみないとわからないです(笑)。お稽古が始まっても、しばらくは悩みそうですね。先ほども少し言いましたが、私は、視覚的要素がかなり大事で形から役をとらえていくことが多いので、幕が開く直前にやっと完成に近づくような感じなんです。それまで青木さんのもとでお稽古をさせていただいて、なんとかキャラクターをつかみ、思い切って行けるところまで行きたいなと思っています。

――力強いお言葉です(笑)。相撲を演劇で表現するというのも珍しいと思いますが。
観たことがないですよね。だけどとにかく、ものすごく神秘的で豪華絢爛な舞台になりそうな気がします。

――歌と踊りが満載ということですが、りょうさんも歌ったり踊ったりされるんでしょうか。
舞台で歌うことは過去に何度か経験がありますが、決して得意分野ではなくて。しかも何しろ、もうひとりの櫻子さんが非常に上手なわけですからね(笑)。でも、私が演じる桜子はとにかく誰よりもパワフルな人。その人間性が溢れ出るような歌い方で勝負していきたいと思います!(笑)

――その、もうひとりの櫻子さんにはどんな印象をお持ちですか。
劇団☆新感線の舞台に出ている時に、本番のあとでお食事をご一緒したのが初対面で。その時の櫻子さんは、私に「りょうさん、何を飲まれますか」って聞いてくれて、お酒を頼んでくれました(笑)。とっても気の利く、素敵な方です。共演できるのが今から楽しみです。

――桜子が追いかける昇龍を演じるのは、伊藤健太郎さんですが。
初共演ですし、まだ直接お会いもしていないのですが、私が信頼する劇団☆新感線の村木よし子さんという先輩が今一番大好きな若手俳優さんだと言っていらしたので、いいイメージしかないです。お会いするのが、楽しみです。

――ちなみに、お相撲そのものに興味はおありでしたか。
それが、あまりなかったんですよね(笑)。でも、これもまた私の信頼する劇団☆新感線の劇団員の村木よし子さんが、今年の1月からお相撲にハマったらしくて楽屋でよくお相撲中継を観ていたんですよ。ですので、機会があったらよし子さんにお願いして一度一緒に連れていっていただくつもりです。「りょうさんも絶対ハマると思うわ!」と言われていますので、きっと私もハマるんだろうなと思います。

――では最後に、お客様へお誘いのメッセージをいただけますか。
荘厳で神秘的な角界と、その対極にありそうなバブリーな桜子や女性陣が、同じ土俵に立つとどんなことになるのか。きっと面白いことになるはずです、みなさまもぜひ楽しみにいらしてください。

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

2020.07.22

TITLE:撮影レポート・紺野美沙子編

※ビジュアル撮影は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言より前に実施しております。

雪乃童が所属する花吹雪部屋のおかみさん・節子役、そして雪乃童の母親・菊代役を演じるのは、紺野美沙子さんです。実は長年の相撲ファンで“スー女”であることを公言している紺野さん、舞台『両国花錦闘士』への出演、並びにこのビジュアル撮影に挑むにあたっても、最初からすっかりノリノリ。相撲部屋のおかみさん役だというのにもかかわらず、紺野さんに用意されたのはそのパブリックイメージとは真逆と言えそうなほどに少々ハード、かつ大胆なスリットも入ったセクシーなスタイル。ボリュームたっぷりのファーがいかにもゴージャスで、赤と黒を基調にしたクールでスリムな衣裳です。そんないでたちの紺野さんが、女性ボーカルのロックが響くスタジオに姿を現すと「おぉ~、お美しい!」「品がある!!」「なんだか翻訳劇に出演するみたい」などなど、フロアに居合わせたスタッフたちから歓声が上がっています。

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まずはデザイナーのナルティスの新上ヒロシさんが、今回の撮影のコンセプトを説明。さらに参考までにと、紺野さんよりも先に撮影を済ませた男優陣(つまりほぼ全員がまわし姿)の写真をひとりずつモニターで披露していくと「あら、かわいい、いい感じ」「すごくカッコイイ!」「いいねえ、セクシー!」「身体が柔らかそう!」「すっごくいい写真ね!」とそれぞれのカットに目を輝かせ、ニコニコが止まらない様子。

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カメラマンの加藤アラタさんが「まずは慈愛の表情からいきましょう!」とリクエストを出し、撮影がスタート。「優しく見守る感じ」「清楚でにこやかに」との注文に応えていく紺野さんですが、加藤さんがレンズを交換するちょっとしたスタンバイの時間にはBGMのリズムに合わせて身体を揺らして軽く踊ったりもしていて、いかにも楽しそうです。


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紺野さんに用意された小道具は、かつてのバブル期を彷彿とさせるような扇子。新上さんから「足をきれいに見せたい」と言われ、すっと重心を傾けてスリットからチラリと足を披露。「素敵!」と声がかかると、扇子をひらひらさせたり、顔の前に掲げてお茶目なポーズをとったり。「大きく笑ってください」と言われれば「おーほほほ!」と高笑い。続いて困り顔、哀しい顔、ぷーっとほっぺたをふくらませたり、なぜか「がおーっ」と叫んだり。ご自身も「なんだか、よくわからなくなってきちゃった」と苦笑い。

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さらには加藤さんから「こういうの、やってもらっていいですか?」と力士の突っ張りのようなポーズをリクエストされると「はい! どすこい、ね!!」と微笑み、「ハッ! どすこい!!」とレンズに向かって開いた手を前に突き出し、「ハッ! ハッ!」とシャッター音に合わせて躊躇なくコミカルに右、左、と手を前に繰り出してくれています。

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ほかにも、まわしを綱引きの綱のように引っ張って「オーエス、オーエス」と掛け声をかけるなど、その意外性のある反応にはモニター周りのスタッフ陣も「紺野さんの自由演技、サイコーです!」と大好評。そんな中「まるで、相撲界のマクベス夫人だ!」との声には、思わず「プッ」と吹き出してしまっている紺野さんなのでした。

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この撮影直前に、紺野さんを直撃してミニ・インタビューをさせていただきましたので、その模様をご紹介します。



――『両国花錦闘士』への出演のお話を聞いた時、どう思われましたか。
「“スー女”で良かった……!」って、思いました。

――昔から、スー女だったんですか?
半世紀ほど昔の、若い頃からです。本当に、お相撲をずっと好きでいて良かった!

――原作の岡野玲子さんのマンガを読んでみてのご感想は。
「なんじゃこりゃー!」みたいな感じでした。「こんな世界があったんだ、お相撲をこういう見方をしている人たちがいたんだ!」と思って衝撃と新鮮味を感じましたね。すっごく面白かったです。

――そのマンガを、今回は演劇にするわけですが。
「これを演劇に? 一体どうやるの? ホントにできるの?」って思いましたけど、台本を読ませていただいたら、そのマンガをより濃厚にした世界になっていて。「わあ、面白そう!」って思いました(笑)。

――しかも、歌も踊りもたっぷり入っている様子です。
いつ、「歌って踊ってください」と言われてもいいように、準備しています。私、まわし姿のお相撲さんとラインダンスをやるのが夢なんですよ(笑)。

――そんな発言をしたら、本当にやらされちゃうかもしれませんよ(笑)。
大丈夫、ウエルカムです!(笑) もう、そこで引退したっていいくらいの心境ですから。

――そこまで?
だって、こんな舞台、きっと世界初ですよ? 誰も見たことのない世界ですし、そんな貴重な舞台に立てるなんて、もう夢のようです(笑)。

――花吹雪部屋のおかみさんの役をやることについては、いかがですか。
女優で良かった……って思いました。だって私、子どもの頃から、相撲部屋のおかみさんと、お相撲さんのお嫁さんに憧れてきましたので。そうしたら今回の舞台で、おかみさんと、お相撲さんのお母さんを演じられるんですよ? もう盆と正月がいっぺんに来たようです。本当に役者を続けてきて良かった。今回は良かったこと尽くしで、なんだか熱が出そうです(笑)。

――ある意味、いろいろ夢が叶ってしまうわけなんですね。
そうなんです。だから、とにかく健康第一。あとは、初日の前に燃え尽きないように気をつけないと、と思っています。

――うれしくて仕方がないというお気持ちが伝わってきます(笑)。
もう、おさえられないの(笑)。この間、衣裳合わせをしにきた時に、たまたま市川しんぺーさんがスチール撮りしているところを目撃して。もうそれだけで、ぶつかっていきそうでした、私(笑)。

――たとえば好きなお相撲さんのタイプは。
あんこ型です。

――では、まさに雪乃童がタイプなんですか。
はい。現実世界で言えば、今年の初場所で優勝した、徳勝龍関がかなりタイプです。徳勝龍関は、雪乃童のイメージ、ありますよね。色白で、ぽっちゃりしていて、あんこ型で。でもね、正直に言うと今、一番好きなのは朝乃山関です。

――主人公の昇龍を伊藤健太郎さんが演じられますが、どんな印象をお持ちですか。
これは作品と直接関係のない話ですけど、先日お料理教室で隣に座った方が伊藤健太郎さんのママだったんですよ。「ええっ?」って驚いて、ものすごくテンションが上がりました。

――ご縁ですね。
そうでしょう? 健太郎さんは、真面目で爽やかな好青年!という印象です。早く会いたいです。雪乃童役の大鶴(佐助)さんは、メイクさん情報だとまさに雪乃童みたいに色白でお肌がすべすべだそうで。もう、早くタッチしたいです(笑)。

――りょうさんとも、初共演ですね。
桜子役にピッタリだと思っていて、ご一緒できるのが楽しみです。まったく私とはキャラがかぶらないので安心ですし(笑)。仲良くできると思います。そして(大原)櫻子ちゃんは、パパとは共演したことがあるんですけど、ご本人とは初めてで。以前、櫻子さんの舞台を観た時に「誰、この歌のうまい人」と思ったら、実は櫻子ちゃんで。そのあと、あっという間に大スターですからね。毎日、ナマであの歌声が聴けるなんて幸せです。

――稽古前に、特に準備したいと思っていることはありますか。
私が相撲を取るわけではないんですけれど、今回の舞台は不本意ながらおそらく最年長キャストになりそうなので、若手の方々に負けないように身体の柔軟性だけはつけておこうかなと思って今、毎日ストレッチをやっています。

――内容的には、かなり笑いを意識した作品になると思いますが。
とにかく、真面目に一生懸命演じれば面白くなるのかなと思いますので、ここは新人のつもりで。いえ、新弟子のつもりで、やります! きっと今まで誰も観たことのない、お相撲エンターテインメントになると思います。みなさん、ぜひお越しください!


TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀

2020.07.15

TITLE:撮影レポート・大原櫻子編

※ビジュアル撮影は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言より前に実施しております。

野球好きだというのに、なぜか相撲専門誌“ズンズンお相撲さん”編集部に配属されてしまった新人記者・橋谷淳子。この役を演じることになったのは、歌手にしてさまざまなミュージカル作品に映像作品にと女優としても大活躍中の大原櫻子さんです。この舞台版『両国花錦闘士』では、物語の展開を歌でも表現してくれる、とても重要な役回りでもあります。

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今回のビジュアル撮影では男性陣はほとんどがまわし姿、女性陣は全員がボンデージ風の衣裳を着用することになっており、大原さんの衣裳はボンデージ風とはいえ、露出は少な目でゴスロリっぽさもあるキュートなもの。メタリック感のある上半身にきゅっと締まったウエスト、レース仕立てのスカートに網タイツといういでたちで、黒と赤のコントラストが鮮やかです。襟と袖口の白もいいアクセントになっていて、ふわふわのパーマヘアに黒のヘアバンドというガーリーな感じもふだんの大原さんのイメージと違ってとても新鮮。

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靴が編み上げブーツ風の超ハイヒールということもあって、実は自由に歩けない状態の大原さん。なので、何枚かシャッターを切るたびにスタッフがタブレットを持って近寄り、本人に全体像を見せてチェックしてもらいながらの撮影となります。まずはカメラマンの加藤アラタさん、デザイナーのナルティスの新上ヒロシさんがデザインのラフスケッチを見せながらビジュアルのイメージを説明すると、大原さんは「いろいろわかりました!」とハキハキ元気よくお返事し、にっこり。

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加藤さんに「感情のバリエーションはいろいろつけながら」とリクエストされ、アッ!と口を大きく開けたり、可愛らしく微笑んだり、ウインクしたり、困った顔をしたり。手を頭の上に載せたり、両手を組んだり、唇に人差し指を当てたり、と手の動きも活発。片足だけぴょんと上げたり、スカートのすそを軽く持ち上げたりして動きが大きめになってくると、だんだん加藤さんの切るシャッター音が倍速になっていき、それに合わせて大原さんのポージングもハイスピードでスッスッと変化させていきます。その速さにはスタッフたちも「すごい!」「カッコイイ!!」と絶賛。少し口を開け気味にして、ちょっと不思議な人形っぽい動きには「ナイス!」「めちゃめちゃ可愛い!!」といった声もかかります。

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「座りも、やってみますか」と言われた大原さん、ハイヒールなのでやはり簡単にはしゃがめない様子。「こういう感じならできます」と言って、斜めにストンと床にお尻を落とすと、すかさずスタッフたちが広がったスカートを丸く美しく整えます。大原さんもタブレットを見せてもらいながら、スカートのすそをいい感じに微調整。左脚だけを伸ばしたり、両足を揃えて伸ばしたり、と座り方もさまざまなバリエーションで撮影していきます。

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加藤さんからの「次はカッコいい路線で。コケティッシュというか、とらえどころのないムードで」との注文には、アハハハ!と思いっきり笑ったり、キャー!と叫んだり、エッと驚いたりして、表情をコロコロと変えていく大原さん。また、雑誌記者の役ということでクラシックなカメラを小道具に使うこととなり、最初はおそるおそる持っていた大原さんですが、慣れてくると片手で持ってひょいっと頭の上に載せたり、ピントを合わせる仕草をしたりと、おちゃめなポーズを次々と披露していっていました。

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Tシャツと色紙に手形を押せば、この日の撮影はすべて終了。予想していたより短時間だったようで「えっ、これで終わりでいいの?」とキョトンとしていた大原さんでしたが、撮影直前に決行したミニ・インタビューでは作品への想いなどをこんな風に語ってくれていました。



――『両国花錦闘士』への出演のお話を聞いた時、どう思われましたか。
まずタイトルの読み方がわからなくて、なんて読むんだろう?と思いました(笑)。『りょうごくおしゃれりきし』だと教えてもらい、どういうお話なのかを聞いたら、お相撲さんの舞台だと言われ、とにかく最初のうちはわけがわからなかったです(笑)。そこから原作のマンガを読ませていただいたんですが、自分の役柄に注目をしながら読んだものの、これを舞台に?と、ますます想像がつかなかったですね。あまりマンガを読み慣れていないので、ちょっと難しく感じるところもありましたけれど、笑えるところが多くて。それをもとに青木さんが書かれた脚本の第一稿を、この間読ませていただきました。ものすごく面白かったです。車の中で読んでいたんですけど、思わず声を出して大笑いしてしまいました。この舞台に自分も立てるということは、本当にうれしい気持ちでいっぱいです。

――大原さんが歌う曲は、台本上で歌詞はわかるもののメロディーはまだわからなくて。どんな曲になるのか、楽しみですね。
そうですね。私が今まで歌ってきたポップスだったり、ミュージカルで歌っていたような曲調とも全然違う、初めてのジャンルにもしかしたら挑戦することになるかもしれなくて。台本に“ここはこんな風に歌う”みたいに書いてあったので、勝手に自分で想像しながら読んでいたんですけどね。メロディーやリズムがとても面白いことになりそうだなと、私自身も楽しみにしています。私が演じる淳子の性格的にも、ぴったりなんじゃないかと予想しているので。歌の面では私もいろいろ、自分の中で遊びたいなと思っています。

――物語の状況を、歌でお客さんに説明していくような役どころでもありますよね。
はい。ちょっと、ストーリーテラーじゃないですけど、そんな要素もありますね。

――観客側から考えたら、櫻子さん演じる淳子が一番、共感しやすい視点になるのかもしれないな、とも思いました。
そうですねえ。淳子は、あまり嘘がない人で、思ったことをズバズバ言うタイプなんですよね。思っていることはすぐ顔に出るし。逆に、ここまで正直な人もそんなにいないとは思いますけど。でも確かに、彼女が考えていることは私も含め、観ているお客さんたちが共感できそうな気がします。

――淳子さんは自分で突撃して取材して記事を書く、ひとりで全部やっちゃうような記者さんですが。今の時点では、どんな女性だと思われていますか。
好きなキャラクターですね、もしもリアルに身近にいたら、周りにいろいろ迷惑をかけていそうですけど(笑)。仕事できるオンナ感があるのもいいですし、愛せるキャラだなと思います。

――相撲の世界を演劇にするということも、すごく珍しいのではと思いますが。
観たことない世界になりそうです。大きな身体のお相撲さんたちが、歌って、踊って、芝居して。本当に踊るのかどうかは、まだわからないですけど(笑)。どんな演出になるんでしょうね。まあ、主役の伊藤健太郎さんが演じる昇龍はスリムな力士の役ですから、問題はなさそうですけど。健太郎さんとはまだお会いしたことがないんですが、テレビごしで観てきたイメージだとお相撲さんをどう演じられるのかが、全然想像できないのでその点でも楽しみです。

――そして、りょうさんが“桜子”役を演じられるわけですが。
そうなんですよ。私、最初にこの舞台のお話をいただいた時、自分が櫻子だから桜子役が来たのかと思ったら、あれ?違うんだと(笑)。だけど、芝居中でりょうさんのことを「桜子さん」って呼ぶことになるので、自分の名前を呼ぶみたいで変な感じがするのかもしれない……。早く慣れなきゃ、と思っています。まあ、同じ“さくらこ”でも、この作品の桜子は全然違うタイプではありますけど。

――桜子役、演じたかったですか?(笑)
いえいえ、大丈夫です(笑)。それよりも、りょうさんが演じるカッコイイ桜子さんの姿を早く見たいです。

――あと今回の共演者の中で特に気になる方は。
(大鶴)佐助さんは、私、唐十郎さんの紅テントの芝居を2年前くらいに観に行っていて。その時に「すごい人がいる!」と思って、ずっとずっとずっと気になっていた方なんです。ですから今回初めて共演できることがすごくうれしくて。しかも、その佐助さんが雪乃童を演じるんですからね、絶対面白くなると思いますよ。

――紺野美沙子さんとも初共演ですよね。面識はあるんですか?
紺野さんとは数年前、私がまだこのお仕事をしていない時にとある稽古場に行く機会がありまして。そこで、間近で紺野さんのお芝居を観させていただいたことがあったんです。その時が実は初めましてでした、紺野さんが覚えていらっしゃるかはわからないですけど。その時、お芝居が素敵だったのはもちろん、すごく丁寧に接してくださった記憶があるので、今回一緒にお仕事ができることを本当にうれしく思っています。

――では最後に、お客様へお誘いのメッセージをいただけますか。
『両国花錦闘士』、このタイトルを聞いて、一体どういう舞台なの?と疑問に思われている方もいらっしゃるかもしれません。私も、一緒でした(笑)。だけどまだ脚本を読んだ時点ではありますが、すごく面白い作品になることを私が保証します! これまでにない音楽劇の要素もある、とてもわかりやすい舞台だと思いますので、ぜひ若い方からお年寄りまで、劇場に足を運んでいただきたいです。私も全力で、楽しみたいと思います!

TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀