2020.07.01

TITLE: 撮影レポート・伊藤健太郎編

※ビジュアル撮影は、新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言より前に実施しております。

このたび、明治座、東宝、ヴィレッヂの同い年プロデューサー3人が集結し賑々しく始める“三銃士企画”、その第一弾『両国花錦闘士』は日々刻々と変化する情勢を鑑みながらも粛々と準備を進めています。先日、全キャストと公演の詳細、そしてビジュアル写真が解禁され、期待値も高まる一方だと思われますが、そんな中、いよいよここでメインキャスト5名分のビジュアル撮影のレポート及び、当日の撮影前に行ったミニインタビューの模様をご紹介させていただきます! 徐々に上がってきた期待を、さらにさらにさらに上昇させつつ初日が来る日をお待ちください!!

まず一人目は、やせ型でナルシストのイケメン力士・昇龍(しょうりゅう)を演じる伊藤健太郎さんの登場です。伊藤さんが肩から垂らしたまわし一本のみで美しくも逞しい肉体を披露した、その大胆さにおそらく誰もが驚いたであろうメインビジュアル。その撮影現場の裏側に迫ります。

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今回のチラシやパンフレットのデザインを担当するのはナルティスの新上ヒロシさん、カメラマンは加藤アラタさんです。今回のビジュアルコンセプトを新上さんに聞いてみると、「“裸セクシー”、つまり大っぴらに見られるヌードがコンセプトです」とのこと。撮影スタジオのフロアの中央には、伊藤さんが纏う紫紺のまわしが土俵をイメージして円形に置かれています。そこに、本格的に髷を結い準備を整えた伊藤さんが入ってくると、「おお! 凛々しいね!!」と声を上げるスタッフ陣。ガウンをはずし、まわしの先端を肩から垂らすようにして絶妙な位置でセッティングすると、このメインビジュアルの全身ショットから撮影スタートです。

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両手でまわしを抱えるようにして仁王立ちをする伊藤さんの姿に、「和髪がすごく似合う!」「このまま力士名鑑に並んでても違和感ないよ」と、スタッフたちは早くも手応えを感じている様子。ご本人もタブレットで画像チェックをしつつ、身体の向きやバランス、表情を微調整していきます。加藤さんからは「まっすぐ、レンズを見据える感じで」「次はもう少し柔らかい表情で」「眉間に力を入れてカメラを睨んでみてください」「今度はナルシストっぽい感じで」などなど、具体的な指示が飛んでいます。

バストショットの撮影では、ガウンを腰の位置でぐるっと縛った状態で挑むことに。すると、ここで加藤さんから「ちょっと叫んでみてください」と言われた伊藤さん。基本的な「うおー!」だけでなく、「むふぉー」とか「ちひぃ?」とか「くぁっぱ!」などというような、文字にしにくい謎の叫びを次々と披露し、周囲は伊藤さんが叫ぶたびについクスクス笑っています。

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このあとは、化粧まわしをつけたバージョンの撮影、さらにまわしをしっかり締め直してシコを踏んだり、ダイナミックに塩を投げたりと、動きのある撮影に挑みます。その詳細についてはパンフレットの誌面をどうぞお楽しみに。ちなみに今回の撮影で使用した昇龍の化粧まわしを作成したのは、小道具担当の高橋岳蔵さんです。PUPPIESや昇龍という文字を刺繍して縫い付け、ピンクの蛇とリンゴが大胆にデザインされた、かつてみたことがないほどにゴージャスな化粧まわしとなっています。伊藤さんも、作業中の段階でこの化粧まわしを一目見て「うわあ、カッコイイ!」とかなり喜んでいました。

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また今回は“相撲指導”として元・力士で現役の役者でもある両國宏さんが、力士ならではの所作を各キャストに伝授。伊藤さんも、まずはシコの踏み方から教えてもらいます。両國さんがお手本で踏んでみせてから「胸を張って、背はグイッと後ろにそって」「こうですか?」「もっとそる」「そんなに?」など、やりとりをしつつ流れと型を覚えていき、右足を上げるところでは「そんなところまで上がんない! つる!!」「使ったことのない筋肉を使いますよね」「こんなにキツイとは! シコを踏むだけで汗かいてきた!!」など言いながら奮闘していた伊藤さんでしたが、何度か踏んでいるうちに目に見えてどんどん上手になっていきます。

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こぶしを床に付けての前傾姿勢や突っ張りなどの力士らしいアクションのほかにも、さまざまなポーズで撮影が行われ、そのたびに「絵みたいにカッコイイ!」と大好評。最後に、色紙とTシャツに手形を押してサインを加えたら、本日の撮影は終了です。露出が多かったこともあって「もう僕、何を見られても恥ずかしくないです!」と笑っていた伊藤さん。撮影前には、この作品への想いや意気込みなどをこんな風に語ってくれていました。

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――『両国花錦闘士』への出演のお話を聞いた時、まずどう思われましたか。
僕はそれほど舞台出演の回数を重ねているわけではないので、舞台に出ることにまだ慣れてはいないんですが、でも舞台でお芝居をする環境は大好きなんですね。お客さんと一緒になってつくりあげる空気感だったり、稽古場でカンパニーのみんなとの仲が深まっていく感覚だったりが、すごく好きなので。だから、今回この舞台に出させてもらえるという話を聞いて、真剣にうれしかったです。でも、力士役だと言われた瞬間は、えっ、お相撲さんか!と思って正直ビックリしました。だけど原作や台本を読んでいるうちに、徐々にワクワクした気持ちが高まってきましたね。

――相撲を舞台でどう表現するんだろうと、とても楽しみです。
そうですよね、ホント、どうやるんだろう(笑)。僕の中の相撲のイメージは、両国国技館で座布団が上からいっぱい飛んでくるような光景なんですけど。舞台という形では相撲はどう表現するのか、その点を考えてみてもすごくワクワクしますよね。

――では、まずは原作のマンガを読むところから始めたわけですか?
はい。とはいえ、今日の時点ではまだそんなにがっつり読み込めてはいないんですけど。これから少しずつ、作業を進めていくつもりです。基本的に僕は原作よりも台本をじっくり読みたい派なんですよ。原作を全く読まないというわけではないんですが、原作を忠実にというよりは、舞台化した意味を出したいなと思うほうなので。映像化する場合でも、それはいつも思うことなんですけどね。生身の人間が演じる良さ、そこにはもちろん原作に対するリスペクトも込めるんですが、それに関しては今回もブレずに意識してやりたいと思っています。

――マンガを読んだ感想はいかがでしたか。
とても面白かったです。相撲を題材に、どういう風に描くんだろうと思っていたら、かなり斬新でしたね。僕の勝手なイメージでは、お相撲さんといえばひたすら稽古をして、ちゃんこ鍋をひたすら食べるという印象だったんですけど。この原作ではそういう、お相撲さんの日常的なこともありつつ、なかなか激しめなシーンもあったりするので、そこも楽しみになりました。

――お相撲さんも普通に青春しているんだなとか、とても人間味のある描写も多いですよね。
相撲は国技とも言われていて、みんなが個々に抱いている固定観念もありそうだけど、そういうのとはまた全然違う部分もあるんだなと思えましたね。意外に僕らとそれほど変わらないんだという部分も、出していけたらいいなと思います。

――そのマンガを原作にしつつ、舞台用の台本になると変化があったかと思いますが。
どこまでをどういう風に描くんだろうと思っていましたけど、舞台化することで、歌ったり踊ったりすることも含めていろいろな要素がプラスされていて。舞台だからこそできることがどんどん足されて、その全部がプラスプラスになり、最終形態は果たしてどういうエンターテインメント作品になっていくんだろう? なんだかすごいな……!と思いましたね。

――とにかく華やかで賑やかで面白いことにはなりそうですね。
観ている人たちにも、僕ら演じる者にも、いろいろな感情が巻き起こるような作品になるのではないかなとは思います。

――予想以上に、歌も踊りも多そうですが。歌ったり踊ったりすることに関してはいかがですか。
歌はそんなに自信がないんで、これを機にうまくなりたいです。ただ僕、大勢の人の前で歌った経験がなくて、ほぼ初めてなんですよ。せいぜい多くて10人くらいかな、カラオケボックスに入れるのってそのくらいでしょう?(笑) そんな時でさえ、お酒が入ってなかったら緊張するくらいなので。だけど、スイッチさえ入れれば大丈夫です!(笑) とにかく面白いものが作れたらいいなと思っています、がんばります!

――伊藤さんが演じる昇龍は、力士だけど決して太ってはいなくて、美意識にもこだわりが強そうな人物ですが。現時点で、ご自分ならどう演じたいなと考えていますか。
いわゆる恰幅のいいお相撲さんとはまた違う筋肉質タイプですから、その対比みたいなものは、しっかりと出していけたらいいかなとは思いますね。身体づくりはもちろん、なんなり、いろいろと準備しておくつもりです。

――では、ある程度は身体を鍛えていこうと?
そうですね、鍛えていこうかなとは思います。いや、出来る限り、やります……、やります!!

――ご自分に言い聞かせるように言っていますが(笑)。そして共演者の方々についても伺っておきたいのですけれど、ほぼみなさんと初共演ですよね。たとえば、昇龍を惑わす芸能事務所女社長の桜子役を演じる、りょうさんはどんな印象ですか。
原作を読んだ時に、桜子の役は誰がやるんだろうと気になっていたので、りょうさんだと聞いてなんだかソワソワし始めました(笑)。だって、りょうさんですよ。共演させてもらったことはないですし、まだお会いしたこともないですけど。でも出られている作品を観た印象では、カッコイイ女性というイメージがあります。昇龍と桜子として、いい関係性を築けていけたらいいなと思っています。

――相撲嫌いの記者・淳子役の大原櫻子さんはいかがですか。
歌を歌われている方なので、ぜひ歌うコツとかを聞きたいなと。いつも、舞台をやる時は知ったかぶりはせずにわからないことはわからないと言って、謙虚に聞いていこうと決めているんです。だから、歌のことは大原さんと徳永さんにたくさん教えてもらいたいですね。

――大鶴佐助さん、紺野美沙子さんとも初対面ですね。
初めまして、です。どういう方なのか想像がつかない、ゼロスタートの関係の方が本当に今回は多くて。顔合わせの日が今から楽しみです。あ、でも紺野さんは、うちの母とどこかでバッタリ会ったみたいなんですよ。この間、急に母から連絡が来て「舞台で、ご一緒なんでしょ」って言われました(笑)。

――そんな偶然もあるんですね(笑)。特に、稽古に入る前に準備しておきたいこと、楽しみなことなどは何かありますか。
身体づくりはもちろんですが、一度、どこかのタイミングで本物の相撲を観に行けたらいいなと思っています。テレビでしか観戦したことがないので。

――もともと相撲に興味はありました?
テレビで観たりすることはありました。うちの、おばあちゃんが相撲をすごく好きなんですよ。だから、わからないことはおばあちゃんにいろいろ教えてもらったりしながら、ちょいちょいテレビでは見させてもらったりしていました。しっかり見ると迫力があるし、やっぱり面白いなあと思いますね。

――では最後に、お客様にお誘いのメッセージをいただけますか。
エンターテインメント性の高い要素がたっぷり詰まった、観たあとにきっとおなかいっぱいになって帰れるような舞台になるんじゃないかな、そういうものを作りたいなと思っています。みなさん、ぜひ劇場にお越しください!


TEXT:田中里津子 撮影:田中亜紀